こんにちは!整備士のRedT(@RedT41921)です。
前段階の 『消毒~催芽』の手順は下のリンクから
【関連記事】密苗(密播)栽培を作業の流れに沿って解説『消毒~催芽』
乾籾×1.25=催芽籾
綺麗なハトムネ催芽が出来たら次は播種です。
まずは一箱当たりどれだけ播種するかを決めましょう。
密苗(密播)栽培を実感するには乾籾220~250gを目安にすると良いです。
ここで注意するところは乾籾の量であって播種時の芽出しした催芽籾の量では無いという事。初めての方は必ずと言っていいほどこの違いを誤解されています。(最初は私も間違えました)
乾籾量×1.25=脱水後の催芽籾(播種機で設定する)量
となる為、乾籾250g=催芽籾312gとなります。
ですが、密苗(密播)栽培の初年度から乾籾250gを播種するのは私はおすすめしません。
それほど難しくないとは言えやはり慣行栽培とは違いがあるので
まずは乾籾200g=催芽籾250gぐらいで試すのをおすすめします。
この播種量だと、それほど古くない播種機であれば
播種量を調整するギヤなどを組み替えればギリギリ播種出来る量のはずです。
播種量を決めたらまずは試し播きをして、床土と種籾の量を調整します。
この時、覆土の量を調整するのでは無く床土の量を調整してください。
図1 密苗の育苗箱断面図(ヤンマーのHPより転載)
目安は図1のような感じで播種をしてみて下さい。
おすすめ播種機はこちら
乾籾250g(催芽籾312g)以上を播種してみたいという方はこちらがおすすめ
これだと播種部分のみ増設出来るので現在使っている播種機と併用出来ます。
値段は定価で170,000円(税別)です。
ただこのタイプは200箱・300箱/時の対応です。
折角だから播種機ごと買い替えようかなと思った方は
播種機メーカーは他にもありますが、スズテック製を私は強くおすすめします。
播種量の調整も簡単で高密度播種もロールの精度が良い為とても綺麗な仕上がりです。
播種機は箱の形状や播種の品種等で調整が必要ですが、スズテックは取説などからQRコードを読み取れば動画で調整の仕方を教えてくれます。これは私達もとてもありがたいです(笑)
色も白色が基調なのでとても清潔感がありますね。
次は育苗へ移ります。
発芽器や育苗器を使って短期間で揃った苗に
育苗の流れは
- 加温出芽
- 育苗緑化
- 育苗(硬化)
の順になります。
加温出芽の時は発芽器や育苗器を使って出芽させるのが密苗(密播)栽培では一般的です。
理由は播種量を増やせば増やすほど育苗期間が短くなるからです。
250g播種時は10%程度、300g播種時は20%程度短縮されます。
大体播種後14日目から田植えを行い、最大でも30日目以内に植えきります。
ですので短期間に揃った出芽をさせる為に発芽器や育苗器を使うことをお勧めします。
メーカーによって違いはほぼありません。ヒーターの電熱線を過熱し蒸気で温めます。
タイショー製と石井製がありますが石井製の方が価格条件は良いので石井製がいいでしょう。
型式によって収納可能箱数が違うので田植えの面積を計算して型式をお選びください。
プール育苗で省力化!
出芽が終わったら緑化→硬化になります。
苗丈は10~15㎝、葉齢は温暖地1.5~1.8葉、寒冷地は1.8~2.2葉を目安に育てます。
育苗方法ですが、私の地区ではほとんどの農家さんがプール育苗に切り替えました。
プール育苗とは文字通り水を張った所に苗を置いて育てる事です。
この写真の様にする事で水管理や温度管理がとても楽になり省力化につながります。
特に密苗(密播)栽培では育苗後半にムレ苗が発生しやすいのですが、
プール育苗時はそのムレ苗が発生しにくくなるというメリットもあります。
プール育苗に関しては後日記事にしたいと思います。
苗が伸びてくると慣行栽培時よりも覆土を持ち上げてしまう可能性が高くなります。
そんな時は上の土を乾かしてからホウキなどで落としてもいいですが、
この様な便利な農機具もあります。その名も『健苗ローラー』
苗の上をコロコロ転がして土を落とし茎を曲げる事で苗を刺激して強い苗に育てる事が出来ます。
徒長苗の抑制、根張りも良くなるので密苗(密播)栽培にはもってこいの農機具です。
事実、密苗(密播)栽培が広がってくるのと同時にこちらの商品も使っている農家さんが増えてきました。
美善は乗用溝切機キャリーや畦シート張り機などこんなのが欲しかったという農機具を多数扱っているメーカーです。
そして目標の苗に育ったら次は田植機の出番です。